「Microsoft Copilot for Microsoft 365」って？

「Microsoft Copilot for Microsoft 365」は、BingやEdge、Windowsで利用するCopilotとは違い、「Microsoft 365」や「Microsoft Copilot for Microsoft 365」のライセンス契約が必要となりますので、以下の点をまとめてみようと思います。Officeからの利用方法などは別途記事にまとめようと思いますので、公開までお待ちください。

• Microsoft Copilot for Microsoft 365って何をするもの
• Microsoft Copilot for Microsoft 365を利用するためのライセンスは？
• 「Microsoft Copilot for Microsoft 365」の仕組みについて

Microsoft Copilot for Microsoft 365って何をするもの

Microsoft Copilot for Microsoft 365 ですが、マイクロソフトのMicrosoft Adoptionの「Copilot Microsoft 365用」では以下のように記載しています。

少し漠然としていてピンとこないですよね。
「Microsoft Copilot for Microsoft 365 の概要」では、以下のように記載していました。

平たく言えば、Microsoft 365 Copilot（マイクロソフト 365 コパイロット）とは、OpeAIのGPT-4をベースにした大規模言語モデル（LLM：Large Language Model）をOfficeアプリケーション（Wordをはじめ、Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsなどのアプリケーション）と連携し、さまざまな作業をサポートして業務の効率化を行う事ができるという意味だと思います。

利用するためのライセンスは？

現時点（2024年2月3日現在）の情報を確認したところ、利用できるプランが変更になっていました。

個人の場合

Microsoft 365 Personal または Family のライセンスを取得済みであることが必要ですが、「Microsoft Copilot Pro」を購入することで利用可能となりました。料金は、月額 ¥3,200になっていました。

一般法人および大企業の場合

Microsoft 365 Business Standard または Business Premium、Microsoft 365 E3 または E5、または Office 365 E3 または E5 のライセンスを取得済みであることが必要ですが、「Microsoft Copilot for Microsoft 365」で利用可能となりました。料金は、月額¥3,750になっていました。

「Microsoft Copilot for Microsoft 365」の仕組みについて

上でも記載していますが、「大規模言語モデル (LLM) の力と組織のデータをすべて作業の流れの中で組み合わせて、言葉を地球上で最も強力な生産性ツールの 1 つに変えます。」と記載されています。これを実現するためには、OpeAIのGPT-4だけでは、一般的な情報になってしまいますので、組織のデータを利用することが出来ないと考えられますが、「Microsoft Copilot for Microsoft 365」は、そのデータを組み込むための仕組みが存在すると想定されます。

「Microsoft Copilot for Microsoft 365 の概要」に仕組みについての説明がありました。

「Microsoft Copilot for Microsoft 365」の組織データの利用に関しては、「Semantic Index for Copilot」と「Microsoft Graph」が重要な役割のようなので、個々の機能についても概要について説明した後、要約したものを記載しようと思います。（詳細については、マイクロソフトの各ページをご覧いただくとよいと思います。）

Microsoft Graphについて

アプリケーションなどで通常、ユーザーのメール、カレンダー、連絡先、文書、ディレクトリデータなどにアクセスするには、個々のAPIを利用してアクセスするようになるのですが、Microsoft Graphは、マイクロソフトのクラウドサービスにまたがるデータに単一の統合APIエンドポイントを提供します。

これにより単一のAPIを利用して、メールやディレクトリデータ（作成したExcelファイルやPowerPointのファイルなどにアクセスしたアプリケーションを作成することが可能にする事ができます。
また、関連の高い人やドキュメントのトレンドなど、インテリジェントなデータを取得可能となってます。

「Microsoft Copilot for Microsoft 365」の観点からみると、「組織データ」（テナントやユーザのデータ）にアクセスする際には、個々のAPIを利用せずに、Microsoft GraphのAPIを利用することでデータを一元的に取り出す事が可能になるという事になります。

Semantic Index for Copilotについて

「Semantic Index for Copilot」では、下のように記載されていました。

「Microsoft Copilot for Microsoft 365 の概要」や「Semantic Index for Copilot」に記載を確認すると、「Semantic Index for Copilot」はMicrosoft Graph の上位に位置し、ユーザーや法人データを高度にマッピングしたもので、例としては、下のような事を理解しているという事でした。

（想定になりますが、Microsoft Graph から情報を取得し、自然言語処理が行われたものだと思われます。）

実際には、Copilot のセマンティック インデックスは、Microsoft Graph の上に配置された複数の LLM （ユーザーや法人データを高度にマッピングしたもの）を使用して、ユーザーのクエリを解釈し、生産性の向上に役立つ、洗練された有意義な多言語応答を生成するそうです。

「Semantic Index for Copilot」は、ユーザレベルとテナント（企業）レベルの二つのレベルのインデックスを作成するそうです。

これにより、何十億ものベクトル (特徴や属性の数学的表現) をすばやく検索して、組織内で関連性のある実用的な情報につなげることができるそうです。

Microsoft Copilot for Microsoft 365 の動作について

「Microsoft Copilot for Microsoft 365」の動作を説明する前に前項までで、「Semantic Index for Copilot」と「Microsoft Graph」について何をするものかを説明しました。まだ、ボヤっとしていると思いますが、ここでは、「Microsoft Copilot for Microsoft 365」が、質問されてから、回答するまでにどのような流れで行われるのかを説明します。

「Microsoft Copilot for Microsoft 365 の概要」や「Semantic Index for Copilot」では以下の図を使って説明しています。

上の図は「Microsoft Copilot for Microsoft 365 の概要」より参照しています。

せっかく上の図に処理順番が記載されているので、その番号順に説明を行いたいと思います。説明を始める前に、この図を見ていると、「問い合わせ」の事を「prompt」と記載されていますね。

1. Microsoft 365 アプリからのユーザー プロンプト（ユーザの問い合わせ、または指示）は Copilot に送信されます。
2. Copilot は処理のために Microsoft Graph とセマンティック インデックスにアクセスします。セマンティック インデックスは、問い合わせの意図を理解し、ユーザ問い合わせに追加情報を追加/変更します。（これを Grounding と言い）関連情報は Microsoft Graph とセマンティック インデックスで取得され、LLM に理由の詳細を提供します。
3. Copilot は、２の処理で変更されたプロンプト（追加情報などを含んで変更された問い合わせ）を大きな言語モデル （LLM）に送信します。
4. LLM 応答 を受け取ります。
5. 後処理のために Microsoft Graph とセマンティック インデックスなどを呼び出しを行い（Grounding ）、AIが適切かつ安全な応答を生成することを確認（責任ある AI チェック）、生成された応答がセキュリティとプライバシーの基準を満たしていることを確認（セキュリティ、コンプライアンス、プライバシーのレビュー）、Microsoft 365アプリの操作を行うための内部コマンドを生成（コマンド生成）が含まれます。
6. Copilot は５で生成された応答とアプリ コマンドを Microsoft 365 アプリに送信します。